アートと民主主義 - diary.jgs.me
そこまでずれ込んだ最大の要因が美術館の中央が通りぬけできるようになっていて、そこがアムステルダムのサイクリスト達の通り道になっていたのが改装で道幅が狭くなる(そのあと通行禁止になったりいろいろモメる)ということに「サイクリスト協会」なる人達が猛反発して美術館の館長や建築家も辟易するっていうあたりで。言い方は悪いけど、サイクリスト協会の人たちのイチャモン感というかなんというか…どこの世にもああいう人たちいるよなあ…というか…。美術館の館長は「これが民主主義だ、まったくもう」と冷静に話していてなんか逆に笑ってしまった。 他にも、むかしの鉄砲を展示するのにおっさんたち数人で「中央に寄せて展示した方がいい」「いや、シンメトリーこそ調和的でわたしは好きだ」みたいなのを延々議論してて、僕がその場にいたら誰が最終決定者なのかをさっさと決めてそのひとの決定に従うという方法を採ってしまうなあ、などとおもったり。 とにかく全体に渡って民主主義と芸術という水と油みたいなのがくんずほぐれつするのをみるような体験で、なんとも言えない気持ちになった。だいたいこういう映画は誰かのインタビューからはじまるから、これもそうだろうと予想して臨んだら、いきなり古い国立美術館を重機でぶち壊すシーンからはじまって驚いた。「オランダ史の間」って書かれたプレートの奥が重機で破壊されているのがなんだか象徴的で映画を表しているようで綺麗だった。 最後にひとこと言いたい。取り壊す前に通路の件とか、美術品の配置をどうするかとか、もっと万全の準備してから取り壊しをはじめろ。
以上です。
January 18th, 2015 5:44pm